小ネタ 199X-017
ポケコンPC-E500のソフト開発
PC-E500とは
シャープ(株)製のポケットコンピュータ(ポケコン)です。1988年に発売され、後継機PC-E550,PC-E650が出ており現在に至っております。大学の生協向けにPC-1480U,PC-1490U,PC-1490UII,PC-U6000というのも出ております。海外でもPC-E500,PC-E500Sが発売されています。これらを 「PC-E500シリーズ」 と総称します。
PC-E500のソフト開発
PC-E500にはBASICが搭載されており、簡単にプログラムを開発することができます。このマシンには内部によくできたファイルシステムやBIOSが内蔵されており、機械語でのプログラム作成すれば高速で高度なプログラム開発をすることができます。CPUはシャープのESR-LというオリジナルのCPUで、電子手帳やザウルスにも同系列のもの(ESR-P)が使われています。
機械語でのプログラム作成のための参考書として、工学社から「PC-E500*PC-1480U活用研究」という書籍が出ておりました。現在では「PC-E650*PC-U6000活用研究」が入手可能だと思われます。
PC-E500日本語化計画
- 1988年に、山口氏がTY-DOSというPC-E500用のOSを作成し、TY-KCSという漢字表示のための拡張システムを作成されました。TY-DOSは工学社のポケコンジャーナル誌にて公開されましたが、TY-KCSは不幸にも予告のみで公開されることなく闇に消えてしまいました。ANKキャラクタ3つで漢字1文字を表示していたのが特徴です。
- 1990年に、私(加古)がKNJSCRNというデバイスドライバを作成して漢字化を試みました。フォントはX-Window用のパブリックドメインのフォントを使いました。BASICでもPRINT"漢字"などできるのが特徴です。ANKキャラクタ2つで漢字1文字として作成しました。PC-E500の液晶のドットは正方形でないので、ふつうに正方形のフォントを表示するとつぶれてしまうので、あえて12×8という変則的なフォントを作成して表示しています。
- その後、HP95LXの日本語化を経てHP100LX/200LXの日本語化がヒットしました。その際に8×8のフォントがいくつか作成され、それをPC-E500に導入するソフトが出現しました。PC-E500シリーズの末期の後継機種ではLCDのドットが正方形になっているので、ふつうのフォントを使う方が自然になったので、完成度の高いELISAフォントに目が向けられました。(→情報)
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