小ネタ 2005-019
ニンテンドーDSに使われている3Dメモリーとは何か?
1. DSカートリッジの中身
DSのカートリッジ、左は2004年11月にDSと同時にロンチ発売された「Feel the Magic XY/XX」(きみのためなら死ねる)
右は2005年10月に発売された「赤ちゃんはどこからくるの?」(Where babies come from?) →英語版のタイトルは「Rub
Rabbits!」(2006.2.8発売)でした。
この2つのゲームカートリッジの中身の基板を比較すると、ROMの部品が異なっているのが分かる。
大半のゲームが左のタイプの基板を使っている。右のタイプの基板はいまのところ赤どこしか見つかっていない。
2. Macronix製のメモリ(従来品)
写真のICを見ると、MXというロゴとMX23L25608という品番が見える。
これはMacronix社のマスクROMと思われる。
そのものズバリの品番は見つからなかったが、これはDS用に特別なI/Fと暗号機能を内蔵したものなので通常品番のものとは別になっていると思われる。
3. Matrix製のメモリ
写真のICを見ると、Matrixというロゴが見える。品番らしきものはマーキングしてないようだ。
これはMatrix Semiconductor社の3Dメモリと思われる。
3Dメモリについてはこのページの情報が詳しい。
ホームページの製品を見てもこれに該当するものがどれだか分からなかった。
この会社の3Dメモリの特徴は、
・3次元構造で集積度が高い。1Gbit(128MB)品が量産されているらしい。
・ワンタイム品で、一度だけ書き込みできる。マスクROMに比べて製造期間が短くて済む。極端に言えばCD-Rのような使い方が可能。
・暗号機能を入れることができる。
・1つ1つに固有のIDを書き込むことも可能。コンテンツ保護用に使用できる。
ということくらいしか現時点では分かっていない。
特に、コンテンツ保護用固有IDというのが気になる。DSカートリッジ1つ1つにIDが書いてあって、Wi-Fiでゲームをすると固有のMACアドレスを持ったDS本体の情報と1対1での対応をチェックすることが可能ということになる。
いまのところ任天堂という会社にとってそういう技術をすぐに導入しなければならない理由はなさそうだが、著作権を実質無視しているような国での商売では訴訟で対抗できない海賊版に悩むようになると、こういう切り札を使わざるを得なくなってしまうのだろう。
(後日加筆)
MatrixSemiconductor社って2005年10月にSanDiskに買収されたらしい。