小ネタ 2007-005
ExpressCardを作ってみる
最近買った新しいノートPCに、ExpressCardスロットが付いていた。
ExpressCardスロットにウィルコムW-SIMを挿すためのアダプタを入手して使ってみたのだが、これは、ExpressCardの形状のUSBデバイスらしい。
なぜなら、ExpressCardのインターフェースの信号ピンの中には、PCI-Expressバスの信号出力だけでなく、USBの信号も出ていたりする。
ExpressCardの形状のUSB機器だったら自作して作れそうなので、試してみることにした。
1. Bluetooth ExpressCard
ExpressCardのBluetoothインターフェースを作ってみた。(2007.3.3)
・材料
市販のExpressCard (必要なのはガワの部分だけなので、どんなカードでもよい)
市販のUSBタイプのBluetoothドングル
3.3Vから5Vへの電圧昇圧用のIC、例えばLTC3204-5等
(ExpressCardのコネクタには5Vが来ていないので、3.3Vから昇圧して5Vを作り出す必要がある)
・作り方
(1)Bluetoothドングルを分解して、中の回路基板のみを取り出す
(2)3.3V→5Vの電圧昇圧用のICを回路に組み立てる
(3)ExpressCardを分解して、基板上の部品を全部取り外す。基板の一部を切り抜いて、Bluetoothドングルを入れるスペースを作る。
(4)配線して、組み立てる。
・回路図
・動作確認
やったことは、筐体を取り替えたのと、電源を3.3Vから5Vに変換する回路を追加しただけなので、意外に簡単に改造できた。
WiiリモコンやBTマウスや組み込み用BTモジュール等のBluetooth機器との接続に使ってみたが、ちゃんと動作することが確認できた。
もう少しPCから出っ張る部分を小さくするため、材料として使うExpressCardの筐体を選んで作ればよかった。
ノートPCのカードスロットに挿したところの写真 上の段がExpressCardスロットで、下の段はPCカードスロット(PCカード用マウス MoGo
Mouseを使ってる)
2. ExpressCardアダプタの改造
上記のExpressCard改造の前に、USBバスに接続するExpressCardアダプタを作ってみた。(作ったのは2006年の年末)
・材料
3.3V電源用レギュレータ
玄人志向のEXCARD-LPCIE
(必要なのはExpressCardのコネクタ部品だけなのだが、コネクタのみ単品での入手は難しかった)
・作り方
(1)EXCARD-LPCIEの基板上から3本の配線( USB-VBUS , ExpressCard-3.3V , GND )を引き出す
(2)3.3Vの電源用レギュレータを回路に組み立てる。
(3)配線して、組み立てる。
・回路図
・動作確認
W-SIM用のExpressCard型通信カードWS008HAを、この自作USBアダプタに挿して動作させてみた。ネットへの接続まで試してみたが、普通にExpressCardスロットに挿しているときと同様に動作することが確認できた。
ExpressCardは使いにくい
・カードの幅が2種類あるのが良くない。幅の細いカードを幅広のスロットに挿すのが挿しにくい。挿した後の安定も若干悪い。
・幅の広いカードの形状が良くない。真四角でなく切り欠いたような複雑な形状なので、カードの外形部品もスロット側の部品もすごく作りにくそうで、コストが高そう。
・USBの信号が出ているというのが変。PCI-Express×1の信号と両方を出す意味が無い。USBは5Vが出てないのが片手落ち。
などと思った。
(後日加筆 2007.10.21)
DuelAdapter CRADLEという変換アダプタを入手。PCカードスロットでExpressCardを使うためのもの。
中身はPCカードタイプのUSBホストICだけなので、USBタイプのExpressCardしか使えないのね。