小ネタ 2007-009
小型Webサーバー機CobaltQube3のリストア
小型のWebサーバー機CobaltQube3を中古で手に入れたのだが、色々と部品が抜けている状態である。これの復旧の記録。
1. 状態
外観はそんなに悪くないように見えるが、
・背面のLCDパネル部品から液晶モジュールが抜けている
・SCSIコネクタ部品が抜けている
・中身のHDD無し
・ACアダプタも欠品
・OSのCDとマニュアル欠品
という状態だった。
これを運用可能な状態にまで復旧するのを試みる。
2. LCDパネル
現在使用している姉妹機のCobaltQube2と、今回のQube3を分解して比べてみた。本体の中身はかなり異なるが、LCDパネル部分の基板は共通だった。
LCDパネル基板上にコネクタで液晶モジュールを取り付けるようになっているのだが、このモジュールが抜けている。
元の部品のデータは見つからなかった。
同等品ぽいのを探してみたところ、かなり昔に秋月電子あたりで購入した16桁2行の液晶モジュールがピン配置と穴位置も同じだった。
Qube2に接続して試してみたところ、液晶表示が薄いが動作した。
使用した液晶モジュール NDM1602
3. SCSIコネクタ
SCSIを使わないので、直さずにそのまま放置することにする。
4. HDD
幸いマウンターは付属していたので、汎用品のHDDを取り付けた。
5. ACアダプタ
Qube3のACアダプタはQube2とは異なっているので、Qube2のものを使ってQube3を動かすことはできない。
Qube3の電源は、スペックシートを見ると+5V,+12V,-12Vの3電源である。
まず、ACアダプタの純正品を探してみるのだが、どうも簡単には手に入りそうにない。
海外の中古サーバーショップで取り扱っている店があったのだが、送料まで合わせるとかなり高い。
市販の汎用の電源を使用することにする。
名古屋の大須電気街のジャンク屋で2千円くらいの3電源のユニットを買ってきた。
Qube3の電源のソケットに合うDINの8ピンコネクタの部品も買ってきた。
DIN 8ピンコネクタにはオーディオ用とコンピュータ用とあるので、コンピュータ用を間違えずに買う。
コネクタの部分を自作するのだが、8ピンコネクタのどのピンが+5V,+12V,-12V,GNDなのか分からない。
Sunに問い合わせてみたところ、教えて貰うためには有償になるとのこと。見積り価格は5万円だった。
教えて貰うのをあきらめて、自分で調べてみた。
シリアルポートコネクタ近くのSN75C185というICが3種類の電源を使っているので、ここから逆に辿って調べた。
結果、1番と3番が+5V、4番と5番と6番がGND、7番が+12V、8番が-12Vとなっていた。
電源を接続してPowerオンしたら、LCDパネルに表示が出たので、たぶんうまく動いていると思われる。
CobaltQube3のマザー基板 ... 右下が電源のコネクタ
6. OSの復旧
SunのサイトからリストアCDのCDイメージがダウンロードできるのでダウンロードして、CD-Rに焼いた。
このCDはPCで起動して、そのPCとCobaltQubeをLANで接続して、ネットワークブートのような形でQube3を起動して使う。
PC側はLinuxベースでインストール用サーバーが起動するようだが、そのため、PCに特定の型式の決まったLANカードが必要。
3COMとかの米国のメーカー製のものが指定されているのだが、それがなかなか見つからない。
DELLのパソコンであれば動く可能性が大きいということらしいので、DELLのOptiplex GX110というデスクトップの機種を試してみた。
DELLのOptiplex GX110のネットワークアダプタ
GX110でリストアCDを起動し、Qube3は背面パネル操作でboot from netというメニューで起動させる。
あとは普通にリストアが始まって、Qube3のHDDが初期状態のCobalt用OSがインストールされた状態となる。
インストール後は、普通に電源を入れ直し、Qube3のOSが起動するのを確認できた。
あと、ノートPC用のPCカードのLANカードを探してリストアに使ってみた。
3ComのModel 3CCFEM556Bという型番の中古のLANカードを手に入れた。ノートPCにこのLANカードを挿してOSリストアに使ってみたところ、リストアできた。
3ComのLANカード
リストア後、初期設定が済んだところ
7. OSに最新パッチを当てる
Cobalt Qube3のOSのパッチは、BlueLinQというWindowsUpdateに似たような方式でダウンロードとインストールができる。
BlueLinQの自動取得で表示されたものをインストールした。
いくつかのアップデートパッケージは再起動を要求してくるので、再起動しつつ、全部インストールできた。