小ネタ 2008-018
Chumbyを使ってみる
Chumbyを入手して使ってみた。(2008-07-21)
1. Chumbyとは何か
・色々な機能(時計、iPodプレイヤー、etc)の入ったWiFi情報端末。
・FLASHで作ったウィジェット(Widget ウィジット?)をダウンロードして実行できる。
・ウィジェットには、天気予報や株価表示、動画共有サイト視聴、インターネットラジオ(Podcast等)、写真立て(Flickr等)、メール着信表示(biff)、blog等の更新表示(RSS)、等がある。
・中身は組み込みCPU(ARM)用のLinuxがベースになっており、オープンソース。
・ハードウェアの回路図も公開されている。
・いまのところ日本で販売されていない。近日発売予定らしい。
詳しくは公式サイトを参照
2. セットアップ
まず、無線LANに接続して、アクティべーションする必要がある。
ここで問題があり、Chumbyに内蔵された無線LANは日本で認証を受けていないので、そのまま使うと違法(電波法違反)となる。
普通に使えてしまうので、自分も気付かずに最初だけそのまま使ってしまった。
対策方法があり、USBタイプの無線LANアダプタを外付けして、そちらを使うように設定する方法がある。自分もこの方法で使っている。
Link - 【レポート】Cooking Chumby! - (2) 外付け無線LANを使って電波法違反を回避する
無線LANアダプタと、設定切り替え用のスクリプトとドライバが入ったUSBメモリをChumbyに挿して使っているところ
ただし、この方法だと、背面のUSBポートが2つともふさがってしまうのが難点。
USBメモリは起動時のみ必要なので、起動後に抜けば良いのだが、あとで挿し忘れて再起動すると内蔵の無線LANが動いてしまうので、まずい。
3. 使い方
内蔵されたデフォルト機能のデジタル時計とミュージックプレイヤーは、ネットに接続しないでも使える。
それ以外の機能はネットに接続していないと使えない。
PCのWebブラウザ → Chumby公式サイト(Chumbyサーバー) → 自分のChumby
というように接続しなければならない。
自分のChumbyは常にネットに接続して、Chumbyサーバーとの接続を保っておかなければならない。
Chumbyにウィジェットを入れるには、PCからChumby公式サイトにアクセスして設定する。
ウィジェットを1つ以上セットしたチャンネルを設定でき、自分の手元のChumbyからはチャンネルの切り替えのみ操作できる。
(一般的な使い方は上記のとおりなのだが、ローカルで色々実行するための裏口も存在する。これでいろいろやるにはLinuxの知識が必要。)
4. 使ってみた感想
・ぬいぐるみ風の外装がお洒落な気がする。ぬいぐるみ風の電子ガジェットというとiPod型の枕「iPillow」という先例があり、iPodを接続(内蔵)して音楽が聴けたり再生/停止などの操作ができる。
ChumbyとiPillowの比較 (Smack a MacというMacintosh型のぬいぐるみというのにもChumbyは似ている)
・海外から航空便で取り寄せたのだが、最初に届いた品物は液晶が割れていて、交換することになった。自分の運が悪かったのもあるかもしれないが、たぶん液晶が割れにくいように工夫されたハード設計になっていない。普通は、落としたりして外から筐体に衝撃が加わった場合に、その衝撃を液晶に直接伝わらないように工夫すると思う。Chumbyの場合、ぬいぐるみ風の構造で筐体自体に衝撃が加わりにくくしてあるのが液晶割れ対策なのかもしれない。
・液晶のタッチパネル部分が熱を持っていて、触ると熱いので、触るのが少し不快に感じられる。
・タッチパネルの反応が鈍い。まず初期設定時にタッチパネルのキャリブレーションをするのだが、ボールをA地点からB地点にドラッグする部分でスムーズに動かない。
・ぬいぐるみ風の上部の皮の部分の中に隠しスイッチがある。このスイッチはコントロールパネルを開くのに使うもので、電源ボタン以外では唯一のスイッチなのだが、わざわざ隠す意味があるように思えない。知らない人がChumyに手を触れて持ち上げたときに間違って隠しスイッチを入れてしまうことがあった。
・分解できないように筐体の継ぎ目が接着剤で接着されている。回路図まで公開しているのに、ハードウェアhackを拒んでいるように感じられる。実際、中に内蔵している無線LANがUSB型なので取り外しが容易なはずなのだが、いざ電波法がらみで取り替える必要があるのに取り替えることができなかった。
・無線LANのパスワード(WEP key)を16進数で入力しなくてはならない。PDAのように頻繁に持ち歩くわけではないが、出先の無線LANに接続するときに入力するのが不便。きっとメーカーの技術者の人は16進数のコード表が頭の中に入っているので困らないのかもしれないが、普通の人は困ると思われる。
・全体として、設計が変である。使う人がいろいろ首をかしげるような設計は斬新というより単に変なだけである。作り込み不足なのだろう。普通のメーカーが物を売っている製品レベルでないように思える。ソフトが未完成なのは現状仕方なく、あとから作っていくことができるのかもしれないが、ハードはどうしようもない。
・ここに書いてあるような理想と現実にはかなりの隔たりがある。例えばiPodは、ハード性能やソフトで他のライバルに負けているところがあっても、MusicStoreのサービスのおかげで他のライバルに勝って市場を制した。Chumbyに直接のライバルはいないが、iPod
touchで似たようなことやそれ以上のことができ、Chumbyならではというのが無さそう。
自分は、製品として使おうと考えず、材料だと考えることにする。何か応用ネタがあったら作ってみる予定。
応用その1 - Chumbyを"踊る"ミュージックプレイヤーにできるか?
ミュージックプレイヤーのロボットで、miuroというのがある。
ミュージックプレイヤーの左右に車輪が付いていて、音楽に合わせて"踊る"というものである。
似たような製品を後発でソニーもRollyという名前で出してたりして、そちらの方が有名になってしまってたりする。
アンプボットというのがもうじき発売されるそうだ。
miuroを遠隔操作するという記事も出ていて、組み込み系のネタとして面白いと思った。
Chumbyに"足回り"を追加するのを考えてみた。(2008-07-26)
とりあえず、それっぽいメカの上に置いてみたが、実際にちゃんとしたメカと駆動回路を作るのはかなり大変そうだ。
こういうとき、楽にメカを作る方法として、レゴというのがある。
赤外線リモコンで動作するブルドーザーのレゴキットというのがあり、これを使えば以下のようなことができそうだ。
・自由に形状を組み替えることができ、Chumbyにフィットした足回りのベースを作ることができる。
・キャタピラーなので散らかった部屋の中でも動き回ることができる。
・赤外線コントロールなので、BUFFALOのPC用学習リモコンをChumbyに接続すること制御できる。学習リモコンの応用は先例がある。
いくつかの記事で見かけたのだが、4輪駆動の車のベースに搭載している写真が出ていたりする。自走するんだろうか?
(後日加筆2008-08-23)
多足歩行ロボットもいいかもしれない。こんな感じの動画のやつとか。作るのは難しそうだ。