小ネタ 2009-007
EeePC SSD SATA改造
1. EeePC初代(4G-X)にSSDを増設
初代EeePCの裏ブタを開けると、SODIMMのメインメモリ用スロットの他に空きスペースがあり、コネクタを実装するための半田付け用のランドがある。このコネクタ部分はFLASH_CONというシルク印刷がされていることからFLASH_CONと呼ばれており、mini
PCI Expressコネクタ部品を取り付けることができる。
EeePC 4G-Xや700シリーズの後継機のEeePC901等では、このコネクタが標準実装されており、このコネクタに実装する拡張用SSDが売っている。
自分も、コネクタを半田付けして、BUFFALO製の32GBのMLCタイプのSSD「SHD-EP9M32G」を取り付けてみた。(2009-02-05)
コネクタを半田付けで取り付けた所 (EeePC 4G-X)、EeePC 900Aから取り外したSSDを取り付けた所
自分が取り付けたコネクタ部品はJAEのMM60-52B1-E1-R650で、海外の部品屋から買った。少しばかり基板が挿さる高さが高めだが、一応問題なく使うことができた。 あとから気が付いたのだが、互換品が国内でも売ってたりする。海外からの送料とか勿体なかった。
以前に、EeePCに「WindowsXP Embedded」をインストールしていたのだが、以前インストールした環境を両方とも消してしまったのと、OS自体のビルドをEeePC上でビルドしたかったので、EeePCに増設したSSDにTargetDesigner等の環境をインストールしてみた。
以前に試した結果では、XP EmbeddedではSSDの容量は節約できるのだが、起動時間は普通のXPに比べて多少速いだけだった。
色々調べてみると、HORM (Hibernate Once Resume Many)という機能を使うと高速に起動できるらしい。ハイバネート機能を使って起動するので、かなり速く起動できるようだ。試してみたい。
(後日加筆 Windows XP Embeddedの後継製品でWindows Embeddedというのがある。)
2. EeePC 900AのSSDを交換
EeePCのシリーズで、EeePC 901より前に出たEeePC 900シリーズのEeePC 900AのLinuxモデルが安く売っていたので入手した。
EeePC 900Aのスペックは、CPUがAtom N270 1.6GHzで、SODIMM 1GB、SSD 4GB、8.9"TFT
WSVGA(1024x600)と、値段にしては良い。
唯一の不満は、SSDが4GBと容量が少なく、SLCでなくMLC型のSSDなので書き込み速度がかなり遅いことである。WindowsXPをインストールして使うのは難しい。
EeePC 900Aは、初代EeePCと違ってマザーボード上にオンボードでSSDが実装されておらず、FLASH_CONコネクタに取り付けてある。
そのため、簡単に交換が可能である。
先週初代EeePCに取り付けた32GBのSSD「SHD-EP9M32G」を取り外して、EeePC 900Aの4GBのSSDと交換した。(2009-02-21)
SSDを交換したEeePC 900A
BUFFALOの32GBのSSDに交換したEeePC 900Aは、容量の不満はだいぶ解消されたのだが、MLC型SSDの書き込みの遅さのせいでWindowsXPをインストールして使うと時々フリーズしたように止まってしまうことがある。この現象はプチフリーズなどと呼ばれていて、MLC型を使うと起きることで対処方法も特に無いらしい。マメにデフラグをかけるという方法もあるようだが寿命が縮む。(NTFSよりもFAT32にするほうがプチフリーズが起きにくいという説もある)
EeePCにMacOS-Xをインストールする方法がある。SHD-EP9M32Gに仮でインストールしたWindowsXPを消して、ちょっと試しにMacOS Xの夢を見てみる。
3. FLASH_CONコネクタでストレージ増設改造する方法
EeePCシリーズのFLASH_CONコネクタで増設可能なのはSSDだけではなく、実は色々な改造が可能なのだそうだ。
FLASH_CONのコネクタ部品はminiPCI Expressコネクタを使っているのだが、実際に出ている信号はIDEとUSBとSATAが出ている。PCI
Expressの信号は出ていない。(一部のEeePCのシリーズではFLASH_CONとは別にminiPCI Expressコネクタを備えたものもあるそうだ)
これを書いている時点での改造の主流はEeePC 901で、FLASH_CONコネクタが2つあり、ZIF用SSDや1.8インチHDDを収納するために大きなスペースがあって、改造の自由度が高い。
EeePC増設用の部品
・IDE(FLASH_CON)で、BUFFALOやGreenHouseのEeePC用SSDや、他の小型PC用SSD(Dell Inspiron
Mini9用など)を増設可能。
・IDE(FLASH_CON)をZIFコネクタに変換して、ZIF用SSDや1.8インチHDDを増設可能
・IDE(FLASH_CON)をCFコネクタに変換して、TrueIDEに対応したCompactFlashを増設可能。
・USB(FLASH_CON)で、USBフラッシュメモリを内蔵で増設可能。
・SATA(FLASH_CON)で、eSATAドライブ等を増設可能。
(ちなみに、SATA信号とUSB信号はどのEeePCでもちゃんと出ているとは限らない。例えばEeePC900Aでは、BIOSアップデートしないとSATAを使うことが出来なかったし、USB信号はEeePC900Aの場合にはFLASH_CONに出ていないみたいだ。)
それに比べるとEeePC 4G-XやEeePC 900Aは改造して物を入れるスペースが無くて困る。
どうやってEeePCの中に入れるか考え中。(2009-02-22)
(後日加筆 2009-02-24)
SSDの性能が一番良いのはeSATAドライブなので、何とかしてEeePC 900Aに内蔵したい。取り替えも出来るようにしたい。
FLASH_CONにsoltec工房のSATA Converter基板を取り付けてSATA信号を取り出して、eSATAの受け側のコネクタに配線し、コネクタに未改造のeSATAドライブを接続したいと考えたのだが、とても全部の部品はEeePC
900Aに納まらない。
いっそのこと、EeePC 900Aに最初から実装されていたFLASH_CONコネクタ部品を取り外して、中継基板を使わずに直接eSATA受け側コネクタの配線をするのはどうだろうかと考えている。それだとeSATAドライブを改造しなくても済むかもしれない。
OCZ製のTHROTTLEだとちょっと大きくて、EeePC 900Aの中に納まらないみたいだ。OCZ製Throttleの他にKANGURUやRiDATA製のSATA SSDは存在するのだが、やはりちょっと大きくて入らない。
EeePC 900Aの筐体や蓋部分を削ってしまうか、eSATAドライブの殻を削るか思案中。(2009-02-24)
4. OCZ THROTTLEをEeePC 900AのFLASH_CONコネクタのSATA接続用に改造
最初は、eSATAドライブ OCZ THROTTLEを未改造でeSATA受け側コネクタで接続ができると思っていたのだが、受け側のコネクタに電源ピンが無いことに気が付いた。
SATA機器をPCに外付けするためのコネクタ規格としてeSATAというのが新しく出来ており、SATAとはコネクタの形状が異なる。そして、普通のeSATAコネクタは、SATAコネクタと同様で電源が別になっている。
ところが最近、電源を供給できるタイプのeSATA-2コネクタが規格化されようとしているそうだ。単にUSBとeSATAが同時に接続されるコネクタということのようだ。
OCZ THROTTLEにはUSB端子付きeSATAコネクタが実装されている。ただし、現状ではまだ対応しているPC等が少ないので、反対側にminiUSBコネクタも付いていて、こちらから電源供給することも可能となっている。
SATA Conveter基板の作者のsoltec工房でも、OCZ THROTTLEを分解して中身の基板をSATA接続している。
自分も真似してSATA Converter基板を自作して、OCZ THROTTLEの中身を加工してSATA接続してみた。(2009-02-25)
上がsoltec工房のSATA Converter基板で、下が自作した基板
材料
・0.8mm厚のベークライト板材
・サンハヤトの0.8mmピッチ→2.54mm変換用エクステンション基板(シート基板) ICB-069
・両面テープ (固定用、厚さ調節用)
OCZ THROTTLEの中の基板のminiUSBコネクタ側を切断して小さくして配線した。基板が多層基板になっているので切断面でショートさせないように注意が必要である。
SATA信号はプラス側とマイナス側をペアにしてツイストしている。このSATA信号線どうしを近づけないように注意する必要がある。できればシールドしておきたい。
とりあえず、この状態でEeePC 900Aに取り付けて、試しにWindowsXPのインストールに使ってみた。問題なくOSのインストールができた。
(後日加筆 2009-02-26)
SATA接続で内蔵したOCZ THROTTLE 8GB eSATA Driveの速度をCrystalDiskMarkというソフトで測ってみた。
Readは速いが、Writeはあまり速くない。
16GB品や32GB品の方が性能が良いのかもしれない。
(後日加筆 2009-03-17)
上記のOCZ THROTTLE 8GB eSATA Driveのベンチマークの結果が思ったより良くないのは、デフラグがうまくいってないのかもしれない。
一応デフラグをかけた直後に計測したのだが、Windowsの標準のデフラグソフトでは、未使用領域をデフラグしてくれないため、完全に速くならない場合もあるようだ。
というわけで、未使用領域もデフラグをかけてみた。 しかし、ベンチマークの結果は変わらなかった。
[ 参考 ... 結論: SSDだからこそデフラグは要ります。でも条件付。 ]
5. OCZ THROTTLEのeSATA2コネクタを普通のSATAコネクタに変換
OCZ THROTTLEで使われているeSATAコネクタは、eSATA-2と呼ばれるコネクタである。これはUSB信号とSATA信号の両方を同時に接続できる2in1のコネクタになっている。
OCZ THROTTLE等を接続できるeSATA2の受け側のコネクタを備えた機器というのが今のところ皆無なので、デスクトップPCに接続したりするのに困る。
eSATA2コネクタ部品そのものがまだほとんど製造されていないようだ。なんとか数個だけコネクタ部品を入手することができた。
入手した部品を使って、普通のSATA-HDDで使われているタイプのSATAコネクタに変換する変換器を自作してみた。(2009-03-21)
変換コネクタにOCZ THROTTLEの中身を接続したところ
変換コネクタの基板の表側と裏側
SATA-HDD用の外付けUSB-HDD化キットにつないで、とりあえず動作確認した。ちゃんと動いているようだ。
これを使って、EeePC以外のPCでもSATA-HDDの代わりにOCZ THROTTLEを使うのを試してみようかな。
(後日加筆 2009-03-22)
eSATA活かしてUSBというUSB-eSATAアダプタを、上記のeSATA2コネクタに付け替える改造をしてみたのだが、うまく動かなかった。改造中に壊してしまったのかなあ。
6. EeePC 900AのSSDをBUFFALOのEeePC用SSDのSATA接続の製品に交換
EeePC 900AのSSDをBUFFALOのEeePC用SSD「SHD-ES9M32G-UC」に交換した。(2009-04-05)
写真の上から順に、OCZ THROTTLE改造品、SHD-ES9M32G-UC、SHD-EP9M32GB
SHD-ES9M32G-UCに交換したあと、ベンチマークテストしてみた。
交換した結果は、良好。
OCZ THROTTLEで自作したものよりも少し性能が良い。
苦労して自作しなくても、最初からこの製品が出るまで待っていればよかったのかもしれない。
(後日加筆 2009-05-03)
以前、EeePCにMacOS-XというのをSHD-EP9M32Gで試してみる夢を見た。そのときはインストーラーが正常に終了しなかったところで終わっていた。 最近またSHD-ES9M32Gに換装してから、再度夢の続きを見た。
Eeebootのバージョンは1.11に上がっていたので、それを使った。インストーラーが正常に終了しないと表示されるのは一緒だが、実はちゃんとインストールされていて、起動させる仕組みがまだインストールされていないだけだったようだ。再度Eeebootを使ってSSDから起動させるとOSが起動した。ただし、まだいろいろとドライバが足らない状態だ。EeebootのCD-Rの中身を色々とセットアップしてみたが、900Aに対応していないものが多くて、うまく動かないものが多い。とりあえず、Eeeboot以外にもソフトを探して、自動で起動できるようにして、画面の解像度も1024x600が使えるようになった。しかし、結局、無線LANと有線LANは動かないし、サウンド機能も動かない。 まあ夢なので仕方ないか。
EeePC 900HA用にSHD-ES9M32GをSATA変換
EeePC 900AのBIOSを色々と入れ替えたり、分解してminiPCI expressの無線LANカードを入れ替えたりしているうちにEeePC
900Aが起動しなくなってしまった。壊してしまったらしい。 代わりに、EeePC 900HAが最近また安くなってきたので入手した。
EeePC 900HAは、FLASH_CONコネクタが無いので、FLASH_CON用のSSDを使うことができない。
コネクタを変換して使うために、SATA変換用の変換器を作ってみた。(2009-07-19)
EeePC以外で、手持ちのHDD内蔵のノートPCをいくつかSSD化してみた。
(後日加筆 2011-10)
mSATAという規格のSSDが売っている。ICONIA TAB W500という機種のSSD換装をした時に初めて知った。
mSATAのSSDも、FLASH_CON用SSDと外観は似ている。
しかし、ピン配置に互換性はなくて使うことはできない。
ピン配置は、電源+3.3Vの位置が違うのと、SATA TX+とTX-のピンが逆になっている。
そのため、電気回路的に何か自作して変換する必要がある。