小ネタ 2009-021
小型PC「fit-PC2」
小型PCのfit-PC2を入手した。
写真 左は「fit-PC2」、右は2.5"HDD
小型サーバー機として使えそうな感じ。
ディスプレイ出力にVGAが無く、DVI出力のみ。DVIコネクタ部分にはHDMIコネクタ部品が使われているので、変換ケーブルが必要。
キーボードやマウスにPS-2コネクタが使えないのでUSBのキーボードとマウスが必要。
本体の前面のSDカードスロットはminiSD用なので、普通のサイズのSDカードが挿さらない。
とりあえずHDDはまだ入れずに、Linux系のOSということでUbuntuをSDカードにインストールすることにした。
Ubuntu 9.04をSDカードにインストールしようとしたのだが、エラーが出てインストールできなかった。
小型のmicroSD-USBアダプタを使って、背面のUSBコネクタにUSBメモリのように取り付けて、そちらにUbuntuをインストールしたところ、ちゃんとインストールできた。(2009-09-13)
(後日加筆 2009-09-21)
小型サーバー機として使おうかと書いたのだが、これを普通の小型Webサーバーやファイルサーバーとして使ったのではあまり面白くない。そういうサーバーに使うのだったらCobaltQubeとか玄箱を使えばよい。
fit-PC2の特長は『小型』というところにあるので、それを活かして何かに組み込むとか車載など移動体に載せたりして使うとかそういうのが良さそうだ。ロボットみたいたものを使ってモーターを制御したり、センサやカメラからの取り込みをしたり、ネットワークに接続したりするのをやってみたい。
特にネットワーク接続については、マイコンボードでネットワーク部品を使おうとすると結構大変だったりするので、小型で省電力のfit-PC2を使うというのは良い案かもしれない。
USBストレージ、SDカードにOSを入れる
普通に2.5"のHDDを内蔵することができるのだが、軽量化とか振動対策ということを考えるとSSDやSDカードを使いたい。
とりあえず先週は、小型microSD-USBアダプタにUbuntu 9.04をインストールしてみた。USBポートを1つ使って塞いでしまうのが難点なのだが、本体のminiSDカードスロットではUbuntuをインストールできなかったので仕方がない。
(後日加筆 fit-PC2のminiSDカードスロットは、SDHCカードに対応していないそうだ。SDカード規格だと2GBまでのものしか使うことができない。OSがインストールできなかったのはおそらく、これが原因のようだ。2GBだとOSを入れるのは苦しい。4GBの規格外SDでminiSDカードサイズの品物があれば試してみたい。)
BUFFALO製の小型USBフラッシュメモリ「RUF2-P4G/BK」という製品が安かったので、先週使用した「RMUM-1G/WH」と比較してみた。(2009-09-21)
RMUM-1G/WHは、最初に付いてくる1GBのmicroSDカードを4GB品に取り替えて使っていた。
RUF2-P4G/BKなのだが、フタ部分が外れ、中にmicroSDカードが入っていることが分かった。性能は、中に入っているmicroSDカードがclass4の遅い品物なので、OSの起動や各種操作が遅い。
class6のCFD製のmicroSDカードを使って同条件で2つを比較してみたのだが、RMUM-1G/WHの方が動作が速かった。
速度の遅いmicroSDカードを抱き合わせでRMUM-1G/WHを買って、microSDをclass6の品物に取り替えるというのが良いという結論となった。
写真手前 左が「RUF2-P4G/BK」、右が「RMUM-1G/WH」
(後日加筆 2009-09-27)
Ubuntu 9.04 Netbook Remixというネットブック向けのUbuntuをインストールしてみた。インストールはできたのだが、起動したあとのデスクトップ画面のランチャーが異常に操作が重くなってちゃんと動作しない。何か操作をすると1分から2分後くらいにその操作が実行される感じだ。terminalとかを起動すると、それ単独は普通に動くので、単純にランチャーの不具合か。原因は不明で直せそうにない。普通のデスクトップ版Ubuntuに戻した方がよさそうだ。
Ubuntu/Linux以外のOSをインストールするのも検討中で、WindowsXPをUSBメモリから起動するのを試してみた。
一旦、SATA-HDDを内蔵して、SATA-HDDにWindowsXPをインストールし、そのあとでBOOT革命USBメモリーVer.1というソフトでOSをUSBメモリーに転送して、起動させてみた。残念ながら、OSの起動途中でリセットが掛かって、延々と再起動を繰り返す状態になり、ちゃんと起動できなかった。
結局USBストレージでは、Ubuntuは動作したのだが、Windows XPを動作させることができなかった。
SATAインターフェースSSD、CFカードにOSを入れる
miniSDカードスロットやUSBでのOS起動ではWindowsXPがインストールできないので、今度はSATAインターフェースにSSD等を接続するのを試してみた。(2009-10-04)
まず、OCZ Throttle 16GB品を試してみた。
EeePCのSATA-SSD改造で実績のある品物である。
残念ながら、OCZ ThrottleにはWindowsXPもUbuntu 9.04もインストールできなかった。BIOS設定もいろいろ試したが駄目だった。BIOSに互換性問題があるのかもしれない。
ちゃんと筐体内に収納できるし、複数のOCZ Throttleを交換することでOSを取り替えることが可能なので、これが本命だったのだが、本当に残念だ。
次に、SATA-CF変換器を試してみた。
写真左の赤色の基板の変換器KRHK-CF2.5SATAは、うまく動かなかった。どうもこの変換器はCFとの接続部分(IDE部分)の回路の出来が悪くて、前に他のPC等で使っていてもどうも安定しなかった。
写真右の青色の基板の変換器SD-SA1CF-W1は、別の用途で使った時に電源部分を改造してある。これは安定してちゃんと動作した。
SD-SA1CF-W1を使って、Trancendの8GBのCFカードにWindowsXPをインストールできた。あと、4GBのマイクロドライブにUbuntu
9.04をインストールできた。ちょっと抜き差しの作業がやりにくいが分解をしなくてもCFカードを交換でき、CF交換でOSの切り替えが可能だ。
SATAの非HDD環境で、WindowsXPとUbuntuを動かすことができた。
しばらくはWindowsXPとUbuntuのどちらで使うのがよいのか検討してみる。
ちなみに組み込み用途ならばWindows XP EmbeddedというOSもあり、EeePCにインストールしたりして試してみている。このOSの評価版は無料なのだが、正式なライセンスを1本単位で買うのはちょっと無理なようだ。
分解
SATA-SSDの取り付けの時に少し分解してみた。(2009-10-04)
SSDをオンボードにできたらこの筐体は半分の薄さにできそうだと思った。コネクタの物理的な大きさの問題があるので実際には難しいが。
分解は、"うたかた"というblogの記事を参考にした。
四隅にあるスペーサーを取り外すと、メインボードを取り外せるそうだが、取り外すとCPUとヒートシンクの役割をする筐体の間の放熱用シリコングリスを塗り直さないといけないようなので、今回は取り外さなかった。
メインボードの反対側(CPU搭載側)には、miniPCI expressコネクタがあり、無線LAN用アダプタを内蔵していないモデルではこのコネクタが空いているはずである。
このスロットに何か拡張機器を接続することが可能だと思われる。
Appleの無線ルーターの筐体に入れてみる
Appleの無線ルーター(旧型AirMac base station)の筐体に入れてみた。(2009-10-10)
元の中身を取り出してfitPC2を収納したところ (ちょうどピッタリと納まる)
筐体のフタを閉めたところと、背面から見たところ
fit-PC2にLinuxを入れて無線ルーターみたいに使うのも最初は検討していたのだが、その場合AirMacの筐体はいかにも電波が出てそうな感じだ。
fit-PC2は小さいので、何かに部品のように組み込んで使うという使い方ができる。
(後日加筆 2009-10-24)
PCエンジンという昔のゲーム機に組み込んでいる例もある。
無線LANを使う
無線LANを試してみた。(2009-10-11)
本来のfitPC2は、無線LANを内蔵が可能で、実際に海外では無線LAN内蔵モデルが売っている。
"うたかた"というblogの記事では、海外モデルのメインボードからmini-PCI-expressタイプの無線LANモジュールを取り外している。
それとは逆に、mini-PCI-expressタイプの国内用の無線LANモジュールを実装すれば、無線LAN機能を追加することが可能なはずである。
ASUS製の無線LAN用のアンテナと、EeePC 900A用の無線LANモジュールと、EeePC 1000HA用の無線LANモジュール
ASUSのEeePCから取り外した無線LANモジュールがあるので、これを試してみたいのだが、無線LAN用のアンテナでコネクタに接続できるものがない。
別の機器からぶん取ったASUS製の無線LANアンテナがあるのだが、受け側のケーブルの電線側にコネクタが付いておらず、むき出しになっている。元は半田付けされていた。
無線LANアンテナ接続用の小さなコネクタが手に入ったら試してみたい。
他に、miniSDタイプの無線LANカードとか、小型USBドングルタイプの無線LANアダプタというのもある。
miniSD無線LANカードIMSW-822と、小型UBS無線LANアダプタGW-USMicroN
miniSD無線LANカードIMSW-822は、WindowsXPとUbuntuともにドライバが無く、使うことができない。WindowsXPではGeneric
SDIO Deviceと認識してドライバを要求してくるのだが、ドライバがないのでどうしようもない。Ubuntuでは、この無線LANカードを挿した状態だと起動時に止まってしまう。
小型USB無線LANアダプタGW-USMicroNは、WindowsXPのドライバが付属するので問題なく使うことができる。Ubuntuではドライバを入れた事例があるようだ。しかし、その事例どおりにRalinkのドライバを試してみたのだがうまく動かなかった。
Ubuntuで使う場合、無難なUSB無線LANアダプタを指名買いするほうがよさそう。
(後日加筆 2009-10-17)
EeePC 1000HA用の無線LANモジュールを取り付けてみた。
この無線LANモジュールは、Atheros AR5007EGという品物で、Windowsのドライバが入手できるので、普通にWindowsXPで使うことができた。あと、Ubuntuでも自動認識され、無線LANを使うことができた。
ただし、今回は無線LANのアンテナをうまく取り付けることが出来なかったので、アンテナ無しで動作させた。無線LANの親機から1メートルくらいの距離でもかなり弱い電波しか受信できなかった。一応その状態でも無線LANで通信が通るのは確認できた。
miniPCI-expressタイプの無線LANアダプタを使ってWindowsXPとUbuntuで動作させることができた。USBタイプの無線LANアダプタはLinuxで動作確認が取れている品物を使えばよい。
これで、fit-PC2を無線LANで遠隔制御したり、計測データを外部へ転送したりといった使い方ができそう。
(後日加筆2010-07-03 アンテナとケーブルを入手できた)
Bluetoothを使う
Bluetoothのドングルを試してみた。(2009-10-18)
写真左は小型のUSB-Bluetoothドングル「BT-microEDR2X」、写真右は、WindowsMobile用miniUSB-Bluetoothドングル「IMUB-01」
IMUB-01は、本来はWindowsMobile用なのでWindowsXP用ドライバなどは存在しない。OSに最初から入っているドライバも使うことができず、このドングルを挿してもOSから認識されない。IMUB-01はminiUSBでスッキリとfitPC2に接続できるので使えると良かったのだが、残念ながら使うことができなかった。
BT-microEDR2Xは、WindowsXPとUbuntuと両方で使うことができた。それぞれ特にドライバをインストールしなくても、OSに最初から入っているドライバを使えばよい。PCに内蔵する改造もできそう。
BT-microEDR2Xはclass2なので10メートルくらいしか電波が届かないが、class1だと100メートルくらい届くらしいので、用途によってはclass1のBluetoothドングルのほうが便利かもしれない
Bluetoothの使いみちは、普通にBluetoothのマウスを接続するのに使う以外にも色々と使うことができる。
例えば、Bluetoothシリアル通信モジュールを自作電子回路に組み込んで、そのモジュールとBluetoothシリアルで通信して制御することができる。
他にも、Wiiリモコンを接続して色々応用することが可能。
キーボードとマウスの接続
fit-PC2購入してから色々とキーボードとマウスの接続を試してみた。(2009-10-24)
PS/2タイプのマウスとキーボードを使うためにUSB-PS/2変換器を何種類か試してみた。
PS/2マウスを何種類か試してみたが、変換器を使って接続しても使えない場合がある。どうも互換性の問題があるようだ。
PS/2キーボードは、大体動作するのだが、一部の変換器ではOS起動後しか動作せず、BIOS設定画面で使えなかった。
活線挿抜にも問題がある。USB-PS/2変換器は避けた方がよさそう。
小型のUSBタイプのキーボードを試してみた。
WindowsXPで、OSインストール時に日本語キーボードでインストールしていたので、英語キーボードではレイアウトが違ってしまう問題が起こった。
WindowsXPでキーボードレイアウトの設定を日本語設定と英語設定を切り替えるのにレジストリ書き換えが必要だったりして、面倒だ。
最終的には、問題なく動作してWindowsXPでもUbuntuでも使うことができた。
ワイヤレスキーボード+タッチパッドを試してみた。
ワイヤレスキーボード+タッチパッド「IRC-01」。
問題なくWindowsXPとUbuntuで使うことができた。ただし、キーボードは打ちにくくて使いにくい。BIOS設定画面で使うのには向かない。
遠隔操作が必要な用途にfit-PC2を使う場合には、ワイヤレスでコンパクトなので使えそう。
PS/2ワイヤレスマウスを試してみた。
PS/2タイプのワイヤレスマウスだが、USB受信機が大きめでfit-PC2に挿して使うのは難あり。WindowsXPでは動いたのだが、Ubuntuで使えなかった。
Bluetoothワイヤレスマウスを試してみた。
写真左はMac用のmacallyのBluetoothマウス、写真右はMoGoのExpressCard形のBluetoothマウス
macallyのBluetoothマウスはUbuntuでペアリングがどうしてもうまくいかなくて、使うことができなかった。
MoGoのExpressCard Bluetoothマウスは、WindowsXPでもUbuntuでもペアリングすることがきて、ちゃんと使うことができた。
ディスプレイの接続
fit-PC2に接続する小型ディスプレイを試してみた。(2009-10-25)
このディスプレイは割と小型なのだが、VGA端子とコンポジット信号の入力しかできない。
fit-PC2の出力端子はDVIなので、XRGB-3という変換器を使ってDVIからVGAに変換している。
ディスプレイが小型でもXRGB-3の筐体が大きいので、この使い方には向いていない。
「サインはVGA-smart」というUSB接続のVGA用アダプタを使って接続してみた。
これなら割と小型なのだが、WindowsXPのドライバしか存在しないため、Ubuntuで動作させることができなかった。
旧製品の「サインはVGA」ならばLinuxのドライバがあり、Ubuntuでも動作していたらしいが、現在では入手難である。
MIMO UM-740というUSB接続のLCDディスプレイをfit-PC2に接続するのを試してみた。
UM-740は、800x480のディスプレイで縦横の回転ができ、タッチパネル機能、Webカメラ、マイクが付いている。
サインはVGA等と同じくUSBで接続するVGAドライバをインストールして使う。WindowsXPのドライバしか存在しないため、Ubuntuでは使えない。
UM-740のドライバはどうも出来が悪く、fit-PC2内蔵のDVI側のモニタがメイン側となり変更できず、カラー設定もメイン側設定と独立した設定ができないため、DVI側になにも接続しないで使おうとするとカラー設定が16色になってしまう。サインはVGAの場合はちゃんと設定できるのにUM-740だとできない。
タッチパネル機能についても、UM-740側をタッチしているのにメイン画面側にマウスイベントが送られたり、ちょっと残念な感じだ。
fit-PC2に、小型のディスプレイを接続するのは、あまり良い製品が見つからなかった。DVIに対応した小型な液晶ディスプレイを引き続き探してみるしかなさそうだ。
遠隔デスクトップ操作ソフト
fit-PC2に小型ディスプレイを接続するかわりに、ネットワーク接続して遠隔デスクトップ操作ソフトを使えばよいと思った。
WindowsXPであれば、OSの標準機能のリモートデスクトップ機能を使えばよい。Windows7相当にパッチで更新できる。
Ubuntuの場合、定番のフリーソフトでVNCとか、その改良版を使うのが良さそう。
あと、Corega CG-UMPC2RULという機器を使って、USBで2台のPCを接続してVNCのような遠隔操作をすることができる。
赤外線リモコン
fit-PC2に固有の機能として、「赤外線リモコン」という機能がある。
WindowsXPのデバイスマネージャーからはUSB機能付きのATMEL-AVRマイコンとして認識されている。マイコン内に赤外線ポートの制御をするためのファームウェアが書き込まれているのだろうか。ちょっと使い方がよく分からなかった。
PCに赤外線リモコンの制御を追加するための周辺機器というものは、BUFFALOというメーカーがRemote Station PC-OP-RS1という機器を出している。
どちららにしろWindowsXP用のドライバ+アプリケーションソフトしかないため、Ubuntuでは使うことができなかった。
ただ、Remote StationをLinuxで使うというのは実例があり、ソフトを自分で組めばなんとかなりそうだ。
あと、赤外線リモコンとは違うのだが、IrDAという赤外線通信の規格がある。
IrDAの規格があまり普及しなかったので、使い道がない。
TVとかの家電用以外では赤外線で通信というのはスペック不足で結局は物にならなかったということらしい。
役立たずのIrDAだが、IrDAのhack的な応用方法で、搬送波の周波数が異なる赤外線リモコンの信号を擬似的にIrDAで発生させて、赤外線リモコン信号を送信するというのを見たことがある。
Ubuntu 9.10
Ubuntu 9.10をインストールした。
Ubuntu Magazineに付録でUbuntuインストールディスクが付いている
雑誌は、Ubuntuラブコメのマンガとかも載ってたりする。
fit-PC2i
fit-PC2iという後継機種が発売されるらしい。(2009-12-06)
オーディオ用PCとして使うのが良いそうだ。(2011-08)
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