小ネタ 2011-002
シャープの3D液晶AndroidケータイLYNX-3Dを使ってみる
去年(2010年)の年末にシャープの3D液晶AndroidケータイLYNX-3Dを手に入れて使っていて、主に3D液晶関係を使ってみた。(2011-01-05)
シャープ 3D液晶Androidケータイ LYNX-3D SH-03C
いわゆる白ロムで入手して、b-mobileのSIMを入れて使っている。
ソフトバンクのGALAPAGOS 003SHという機種も同様の3D液晶搭載のAndroidケータイなのだが、003SHではb-mobileを使うことができない。
003SHはAndroidのOSのバージョンが2.2と上なのだが、003SHの2.2はまだ今のところ安定性で問題があるらしい。
(後日加筆 2011-01-22)
ソフトバンク系のディズニーモバイルからも同様の機種が発売される予定だそうだ。
Link - ディズニー・モバイルのスマートフォン、Android 2.2搭載で2月に発売
1. 内蔵3D
内蔵3Dコンテンツを表示するアプリを試してみた。
内蔵3Dアプリ
3Dの動画と3D静止画がプリインストールされている (3D動画は2D写真でうまく撮影できないので雰囲気だけでも)
どの動画も時間は短い。
「DIVE」というダイビングで海中の生物で撮影した映像の3D動画が特に3Dとしてよく見える。
「座標染色体xyz」という動画も面白かった。
3D鑑賞スタイルとして、手に持って見ると疲れるのでクレードルが欲しい。できれば充電機能も付いたものが望ましい。
とりあえず、机の上に置いて上から覗き込むようにして鑑賞しているが、ちょっと首に負担がかかる姿勢なので疲れるのと、背面のスピーカーが塞がるのが問題である。
2. ガラパゴス・スクエア
メーカー公式のガラパゴス・スクエアで3D動画コンテンツなどを無料で配信している。
ガラパゴス・スクエア アプリ
プリインストールされている「メーカーサイト」というアプリでガラパゴス・スクエアのWebサイトにアクセスできる。
しかし、このWebサイトから直接動画配信をするのは終了していて、"ガラパゴス・スクエア アプリ"を使ってアクセスするように促される。
ガラパゴス・スクエア アプリというのは既にインストールされている上記の写真の左側のアイコンのアプリのことだと思ってしまったため、わけが分からなかった。
手動でガラパゴス・スクエア アプリ(上記の写真の右側のアイコンのGPスクエアというアプリ)をインストールすると、ガラパゴス・スクエアの新しいサービスに接続することができ、3D動画などをダウンロードできる。
3D動画は、いまのところ全部無料でダウンロードできる。愛・地球博の「TREE ROBO」という3D映画が良かった。
10分割されているのでダウンロードと鑑賞が面倒である。
SDカードに保存されているので、一旦PCに転送して、動画ファイルを結合し、後述するコンテンツ表示アプリで鑑賞するとよい。
3D動画「TREE ROBO」
3. コンテンツ マネージャー
SDカードに保存された音楽や写真や映像を管理できるアプリがプリインストールされている。
3D映像データを扱う際の基本のアプリである。
コンテンツマネージャーアプリ
画面下部のMovieタブを選択すると、SDカード内に保存された動画が全部リストアップされてサムネイル画像付きで一覧表示される。
動画の一覧表示
ガラパゴス・スクエアでダウンロードした動画もここに表示される。
ファイル名の先頭に[[3D]]という文字列が付いていると3Dのモードで動画が再生される。
ガラパゴス・スクエアでダウンロードした動画は、分割された動画の連番の順番ではなくて、新しくダウンロードした順番に表示される。再生もその順番に連続に再生される。1-2-3の順にダウンロードすると、3-2-1の順に再生される。これはちょっと不便で酷いと思う。
一旦PCに転送して、動画ファイルを結合すると、コンテンツマネージャーでも管理しやすくなる。
自分の場合、そうして結合した動画や後述する自炊動画は、SDカードのSD_VIDEOフォルダに入れている。
再生可能な動画の形式は、MP4形式とWMV形式のようだ。
4. 3D動画の"自炊"
3D-DVDや3Dブルーレイ(Bluray3D)の動画をリッピングして、SDカードに動画ファイルを入れて再生することができる。
昨年(2010年)に、3D-DVDの動画の鑑賞方法で苦労していたのだが、やっと3D鑑賞することができた。
リッピングは、現時点(2011年1月)では合法だが、いずれ違法化されるかもしれないので注意。
3Dブルーレイ (他に、Alice in Wonderland 3Dを米Amazonに注文したけど、まだ届かない)
3Dブルーレイディスクは、DVDfabのBluray3D Ripperというソフトでリッピングした。
mp4形式で出力したのだが、コーデックの問題なのか、そのままではうまく再生できなかった。
Freemake Video Converterというソフトを使って、サイドバイサイドのWMV形式に変換した。(映像はWMV3,音声はWMA)
WMV形式に変換した3D映像ファイルは、実際に再生することができた。
ただし、完全になめらかに再生できず、ときどきコマが引っかかる感じだ。
ビットレートか何かの問題で負荷が大きい部分で処理が追いついていないのだろうか?
3Dブルーレイからリッピングした動画を鑑賞
AVATARは、青色で縞々とかの模様の肌の異星人が3Dで見やすく感じる。のっぺりと肌色単色だと面の立体感が出にくいのか看板(ビルボード)っぽく見えることが多いみたいだ。異星人(の姿)を主人公にしないとこういう映画は難しいのかも。
DeepSeaとかプリインストールされているダイビング動画とかで、海中の映像が特に3Dで見やすく感じるのはなぜだろうか? 対象物が空中/水中に浮いている方が3D映像として立体に見えやすいとかそういうのがあるのかも。
3D-DVDからリッピングした動画を鑑賞
DVDからのリッピングはいろいろフリーなものがある。
リッピングしたあと動画をMP4形式に変換するのにHandbrakeというソフトを使った。
DVDからのMP4形式の動画の場合、ちゃんとなめらかに再生される。
(後日加筆 2011-01-08)
3Dブルーレイからのリッピングで、先週試したWMV形式にした結果はちょっと残念な感じだったが、職場でAV機器関係に詳しい人に聞いてやり直してみた。
まず、Bluray3D Ripperで、1920x1024という大きいサイズでビットレートを高くリッピングしてMP4ファイルを作成し、次にXMediaRecodeというソフトで800x480という液晶に合わせたサイズでビットレートを1500kbpsくらいでMP4ファイル(H.264)を再エンコードし直すとよいとのこと。
実際にXMediaRecodeを試してみたところ、H.264のMP4ファイルはうまくいかなかったが、MP4形式で出力して再生することができた。
画質や再生の滑らかさは、かなり改善して良くなった。実際の手順をあとで図解でまとめてみる予定。
(後日加筆 2011-01-12)
XMediaRecodeの古いバージョンで、ソニエリのXperiaX10用プリセット設定を元にビットレート設定を少しいじって再エンコードしたら、MP4形式でH.264でMP4ファイルを作成して、LYNX
3Dで再生することができた。詳細な手順は後述。
(後日加筆 2011-01-18)
ソフトバンクのGALAPAGOS 003SHという3D液晶のAndroidケータイと、2台並べて同じファイルを再生して、比較してみた。
LYNX 3Dの方が、コマ落ちのような動画が引っかかる現象が多く発生するようだ。
ソフトバンクGALAPAGOS 003SHの方が、動画再生の性能がよいと思われる。
理由は分からないのだが、OSはLYNX 3DはAndroid 2.1で、GALAPAGOS 003SHはAndroid 2.2という違いがある。スペックもだいぶ異なる。
LYNX 3Dの将来のアップデートで性能が少しは向上してくれるとありがたいが。
当面は、LYNX 3Dの場合、800x480というサイズよりも小さくしてビットレートも少し下げたほうがよいのかも。
5. YouTube3D
YouTubeという動画共有サイトは、3D動画に対応しており3D動画を視聴することが可能なはずなのだが、Android版のYouTubeアプリは対応していない。
jetVD(jetTube)というアプリを使って、3D動画を一旦SDカードにmp4形式で保存し、コンテンツマネージャーから再生することで、YouTube3Dの動画鑑賞が可能である。
YouTubeの3D動画は、キーワードとして"yt3d:enable=true"で検索することができる。(簡易的には"yt3d"でも可)
jetTubeアプリ
YouTubeで3D動画を検索した画面
小惑星イトカワの3D動画をダウンロードして、ファイル名の先頭に[[3D]]を追加し、再生したところ
(後日加筆 2011-10-10)
LYNX 3D SH-03CにYouTube 3Dやスクリーンショットに対応するアップデート提供 というblog記事で知ったのだけど、LYNX 3DはYouTube3Dに対応したそうだ。
6. 3D動画撮影用デジカメによる3D動画の自作
シャープ公式で、3D写真と3D動画のコンテストをやっている。
・3D時代が到来!シャープ、スマートフォン3Dコンテストを開催
・コンテストについて|シャープ スマートフォン3Dコンテスト
使用できるカメラはFujifilmのFinePix REAL 3Dシリーズのみということである。
しかし、この3Dデジカメで撮影した3D映像をそのままでは再生することができない。
コンテストに応募された動画をLYNX 3Dでプレビューできるのだろうか? 応募作品紹介で見れたりするのもあるみたいだが..
自分の場合、3D動画撮影用にFinePix REAL 3Dを持っていない。
別の安い機種を持っており、これを使うのを試してみた。
LYNX 3Dと3D動画撮影用デジカメ
この3Dデジカメの出力はMP4形式なのだが、HDサイズの720pの動画なので、サイズ制限でなぜかLYNX 3Dで再生できない。
3Dブルーレイディスクからリッピングした動画と同様に、XMediaRecodeというソフトで800x480程度にリサイズして再エンコードする必要がある。
実際に試してみた動画を置いておく。
[[3D]]CLIP0002.mp4 … 変な形のPC用Webカメラを撮影した動画
[[3D]]CLIP0003.mp4 … LYNX 3D自体を撮影した失敗動画 (カメラを近づけすぎて、3Dに見えなくなってしまった)
[[3D]]CLIP0002.mp4を再生したところ
7. 3D動画の再エンコード
MP4形式で、コーデックをH.264にするのが一番画質がよくなるようだ。
ところが、MP4形式のファイル出力してPCやiPhoneでは再生できるが、Androidケータイで再生することができない場合が結構ある。
自分は、以下の方法でうまくいっている。
・動画の再エンコード用のソフトに、「XMediaRecode」を使う。
ただし、最新版ではなぜか、後述のXperia用のプリセット設定でうまくエンコードできないみたいなので、古いバージョン2.2.4.4 (XMediaRecode2244_setup.exe)
を使うこと。
旧バージョンは、XMediaRecodeのダウンロードページのダウンロードリンクを右クリックして、右クリックメニューの「URLをコピー」でURLの文字列を取得して、それをブラウザーのアドレスバーにペーストしてバージョン番号の数字の部分を2244に変更することで、2.2.4.4をダウンロードすることができる。
・XMediaRecodeの設定で、ソニーエリクソンのXperia X10用の設定を使う。(重要)
・動画のビットレートを1500kに設定する。
・動画のサイズを800×480に設定する。
液晶パネルが800×480画素なので、800×480に設定するとドットバイドットになる。
ただし、3D動画の場合800×480が最も美しくならず、カスタム設定の1280×720の方が美しく表示されたりする。
個人的には自分は800×480で十分だと思う。
・音声の設定
音声出力は5.1chでなく、ステレオに設定する。
音量は、LYNX3Dだと内蔵スピーカーからの音量がかなり小さくなってしまうので、音量補正で250%くらいに設定した。
・タグ情報
タグ情報は不要なので無し。
・自動アップデートの確認の設定をオフにしておくこと。(推奨)
(後日加筆 2011-01-22)
アメリカのAmazon.comに注文したAlice in Wonderland 3Dが届いたので、上記の設定でリッピングしてエンコードしてみた。
Alice in Wonderland 3Dのブルーレイソフトと、エンコードした動画をいれたNexusOneとLYNX 3D
Alice in Wonderland 3Dは、値段が$35と安いのに4枚のディスクが付いてくる。お得な感じだ。
3DのブルーレイディスクをリッピングしてLYNX 3Dに入れて、普通の2DのブルーレイディスクをリッピングしてNexusOneに入れて比較してみた。
精細さと発色ではNexusOneの有機ELディスプレイの方がダントツに良い。(この写真は差があまりうまく撮れていないが)
2Dのメディアプレイヤーとしては当分はNexusOneを使うことになりそうだ。
Alice in Wonderlandの3Dは、AVATARに比べると3Dで良かったと思えるのが少なく感じた。
(後日加筆 2011-02-05)
日本版のアリスインワンダーランドのDVDをリッピングして日本語音声を、英語版の3Dの動画ファイルと合成した。MP4ファイルの合成はYambというソフトを使った。
(後日加筆 2011-05-05)
さらに色々海外からBluray3Dソフトを購入した。イギリスAmazonUKだと北米の発売よりも早く売っているものがある。
8. 3D動画のSDカード販売があるらしい
3D動画のSDカード販売があるらしい。まだ売っている作品が少ないようだ。
サンプル動画をダウンロードしようとしたのだが、エラーでダウンロードできなかった。
Link - セントリックス、3D映像収録のmicroSDを販売
手間がかかるが、自分で動画をリッピングして納得いく品質でエンコードする方がよいと思う。
9. 3DのCG動画の自作
MikuMikuDanceで3D動画の自作というのが紹介されている。
下記のページで動画ファイルをダウンロードできるのだが、そのままではLYNX 3Dで鑑賞できない。再エンコードが必要なようだ。
Link - 初音ミクや3Dカムの3D動画をゲットしよう!:週アス1月11日発売号連動企画
10. LYNX 3DのAndroid 2.2アップデート
2011年6月7日にLYNX 3DのAndroid 2.2へのメジャーアップデートが出たので、アップデートしてみた。
少し動画再生の性能がよくなったようだ。
極端なアスペクト比の動画を再生しようとするとリセットが掛かったりOS自体が不安定になる現象は、2.2へのアップデートでも直ってなかった。実用上は問題ないけど。
11. 3D液晶の新機種を体験会で触ってみた
実機体験というイベントがあったので、参加して、3D液晶の機種 docomo SH-12Cとかau IS11SH、IS12SH、Softbank
006SH、007SHなどを触ってみた。(2011-06-29)
同じ3D映像を再生してコマ落ちとか再生のスムーズさの差がないか見てみたのだが、Android 2.2にアップデートしたLYNX3Dと大差無いように感じた。
むしろSH-12CとIS11SHで液晶の色合いが異なっていたのが気になった。
ちなみにこの体験会で気に入ったので、3D液晶ではないがau INFOBAR A01を、IS01から機種変更して使い始めた。(2011-07-06)
まとめ
写真では伝わらないのだが、3D動画用のポータブルメディアプレイヤーとして優秀で、特に3Dブルーレイディスクからリッピングした3D動画には感動した。
3D映画を3Dテレビで鑑賞しようとすると10万円とか20万円の値段の機器を必要としてしまう。それに比べるとそれなりに安価に鑑賞することができた。
3DテレビのフルHDという解像度に比べると劣るのだが、現在のメガネ式の映像が暗くなるという欠点なしに鑑賞できるのと、ポータブルという利点がある。
さらに、3DのAndroidアプリについて試してみる。
※ リッピングに関することが書いてありますが、これはリッピング違法化前に実行して書いた物です。