小ネタ 2011-004
GoogleTVを使ってみる
GoogleTV Logitech Revueを入手して使ってみた。(2011-01-23)
1. GoogleTVとは何か
GoogleTVとは、Googleが開発しているTV用のインターネット端末で、現在のところSonyとLogitechが実際に製品を作っている。
OSは、Android。(CPUがインテルのAtomなのでx86版Androidか?)
似たような製品でAppleという会社のAppleTVというのがある。(OSは、iPhoneと同じiOS)
写真左がGoogleTV Revueで、右がAppleTV2
AppleTVは、AppleのiTunesというネットストアから映画などの映像を購入したりレンタルしたりできるが、GoogleTVの場合にはGoogleはそういうサービスを開始していない。
Google自体はYouTubeという映像共有サービスのみで、あとは他のAmazonのAmazon Video on DemandとかTVネットワーク各社のネット向け視聴サービスが立ち上がっているので、それらを利用することができる。ただしほとんどアメリカのみ。
2. セットアップ
GoogleTV Logitech Revueはセットトップ ボックスなので、既存のTVにHDMIで接続する。
初回の起動時に初期設定画面が出るので、設定する。
初期設定は、下記のblog記事を参考にした。
Link - Google TVの初回設定、全ステップ大公開 - Drift Diary XIII
初期設定のステップ1からステップ12まであるのだが、自分の場合は既存TV環境に接続しないので、ステップ9から後は全部Skipを選んだ。
初期設定のステップ4で、LANに接続して設定する必要がある。
1つ問題があり、GoogleTV Revueに内蔵された無線LANは日本で技適を取っていないので、そのまま使うと違法(電波法違反)となるので、有線のLANを使わないといけない。
同様に、付属のキーボード型リモコンも無線を使っており、これも日本の技適がないので、そのまま使うと違法となる。
背面のUSBポートにPC用のキーボードとマウスを接続すると代用として使うことができるので、そちらを使えば良い。
特殊な操作としては、ホーム画面に戻るためのホームボタンというのがあるのだが、これはF3キーで代用できる。
LogicoolのMK320 ワイヤレスキーボード&マウスを使っているところ
本体に内蔵された無線LANや無線リモコンの回路が使わないときにちゃんと休止しているか確認できなかった。
より確実に電波を飛ばないようにするためには、後述するように分解して内蔵のアンテナ部分を取り外すか、簡易的に本体をアルミフォイルで包んでやるとかしたほうがよいかもしれない。
3. エアーマウスを試してみる
GoogleTVをもしリビングのTVに設置する場合、いかにもPCなキーボード&マウスは置き場所に困るかもしれない。
特に机上でないと操作できないマウスが困ると思われる。
空中で操作することのできるエアーマウスというものがあるとよい。
無線式のエアーマウス
ただし、このGoogleTVは、マウスだけで操作が完結せず、キーボード操作が必須なので困る。
例えば、アプリを起動したあと、ホーム画面に戻るためにはボタン操作が必ず必要だったりする。
マウスだけで操作が完結するようにいずれアップデートで改善されて欲しい思う。
ちなみに、純正リモコンやエアーマウスの代わりに、iPhoneやAndroid携帯電話をリモコンとして使うためのアプリもあるそうだ。スマートフォンをリモコンにするのは勿体無い気がする。
4. 使い方
ホーム画面から、アプリを起動する。
基本的にはGoogleのインターネットブラウザーChromeと、WebサイトやWebアプリへのBookmarkである。
YouTubeを起動したところ。初回にLeanbackを使う設定にした。
Cartoon Networkなどは、アメリカ以外では視聴できない。
New York Timesとかは、GoogleTV向けにちゃんとサイトを作っているみたいで、いい感じでニュースを流してくれる。
使ってみた感想として、非常に使いにくいと感じた。
付属のキーボード型リモコンの使い勝手の問題が大きいと思う。
・タッチパッドの下側のクリックボタンを親指でクリックするときに、すぐその下のbackボタンを間違って押してしまうのが致命的だ。
・使い方がよく分からないボタンが多い。特に、メディアコントロール系の再生ボタンや停止ボタンや早送りボタンが使える場面がよく分からない。
・マウスだけで操作できるように画面にメニューバーのようなものが出てくるような仕組みを用意するべきだと思う。
あと、根本的な問題として、日本ではネットでテレビの映像コンテンツが配信されて視聴できるようなサービスはほとんど立ち上がっていないというのがある。
代わりにアメリカでそういうサービスがたくさん立ち上がっているのでそれらを視聴できるかというと、制限されているせいで視聴できない。hulu.comなども駄目である。
AmazonのVideo on Demandが駄目というのが残念。
SonyのQuriocityがGoogleTVに対応していないのも残念な感じだ。SonyはGoogleTVに力を入れる気がないように思える。
5. 日本語対応を調べてみる
インターネットブラウザーのChromeは日本語表示可能。日本語入力はできない。日本語フォントはいわゆる中華フォントが混じっている。
ブラウザからブックマークを作成して、ホームメニューに登録できる。登録操作がすごく分かりにくい。
ニコニコ動画を表示してみた。ブラウザは日本語対応しているが、FLASH内の日本語表示ができず、豆腐(□)が表示される。
6. root化 (できなかった)
jailbreak(root化)して、日本語フォントを差し替えたりしたい。
あと、アメリカのサイトへのアクセスにProxy/VPNを使って偽装したい。
下記の記事で出てくるhulu.comなどもアメリカ限定のサービスである。
( Link - 池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第133回 スマートTVは日本では生まれない )
アメリカ国外からhulu.comを視聴するため色々と方法が試行錯誤されているようだ。
rootを取る方法は、既にあるらしい。
分解して、メイン基板上のシリアルポートの基板パターンのランドにハンダ付けしてシリアル信号の配線を引っ張り出して、シリアルコンソールからデバッグ用のコマンドでroot化できるみたいだ。
ところが、これは最初のバージン状態のみ可能で、ファームウェアをアップデートしてしまうと、シリアルポートが塞がれてしまって、root化できない。
自分の場合、初回起動時にアップデートしてしまったので、root化できなくなってしまった。
いちおう分解して、シリアルポートの存在は確認した。
7. アプリ作成方法
いまのところ、SDKが公開されていないのでアプリ作成は不可能。アプリマーケットも当分立ち上がりそうにないと思われる。
root化するとAndroidアプリの一部が動作するらしい。
SettingメニューのApplicationsという項目の中を選択すると...
Developmentという項目があり、Remote debuggingというのをONにすることができる。
adbコマンドでアクセスできるようになるのか?
8. メディアプレイヤーとして使えるか
まだ試していない。
Logitech Media Playerというアプリが存在して、USBストレージからファイルを再生できるみたいだ。
DLNAクライアントとしても使えるらしい。
Logitech Revueのレビュー記事が既にだいぶ前に出ていたらしく、そちらに色々書いてあるのを知った。
Link - Google TV STB(Logitech Revue)で遊ぶ http://www.gungun.net/~miura/gtv/
(後日加筆 2011-11)
GoogleがGoogle TVのアップデートを発表、来週より配信
GoogleTV Logitech Revueも、Android 3.1(Honeycomb)にアップデートされた。
Google TV の未来:Logitech 撤退、LG が参入? ソニーは「新しい種類のテレビ」を開発中
Logitechは撤退らしい。
もう今後アップデートされないのかな。
(後日加筆 2012-11)
グーグル、「Google TV」をアップデート - 音声検索や「PrimeTime」ガイドを導入
LG製GoogleTVが最初にアップデートされ、第1世代のGoogleTVのアップデートは後回しらしい。
Logitech Revueのアップデートは無さそうな気がする。