千葉県の房総半島付近で地磁気異常があるらしい

千葉県の房総半島付近で地磁気異常があるらしい。

方位磁石(コンパス)は、ほぼ北方向を指すものなのだが、方位磁石が狂ってしまい正しい方位を指さない地磁気異常が発生している地域というのが存在しているそうだ。

ほぼ北方向というのだけど、方位磁石は実際には北から少しずれた方向を指す。
そのずれた角度の量を偏角といい、日本だと本州で6度から8度くらい、九州南端で6度、北海道北端で10度くらいとなっている。
地磁気(偏角)2010年 分布図

上記の分布図を見ると、静岡の富士市あたりから山梨の甲府市のあたりに掛けて偏角が急に変化している部分がある。といってもせいぜい+1度くらいなので、方位磁石で見てもほとんど気がつかないだろう。

ちなみに富士の樹海では方位磁石(コンパス)が使い物にならないという話があるが、これは都市伝説の類で、実際には方位磁石を普通に使うことができる。
鉄分を多く含んだ溶岩の岩が足下にある場合、その岩に方位磁石を近づけた場合には一時的に方位磁石が正しくない方位を指したりする。
街中でも同様に鉄骨を使った建物や橋などの建造物で鉄骨に近づくと同じ現象が起きる。

磁力の大きさについても、分布図がある。こちらの図でみても富士市から甲府市のあたりは急に変化している。
地磁気(磁力)2010年 分布図

この分布図では出ていないが、甲府の北西にある長野県伊那市の分杭峠では地磁気の大きさがゼロになっているゼロ磁場のパワースポットというのがあるらしい。
“癒しのパワースポット” ゼロ磁場 分杭峠 » 伊那市観光協会公式ホームページ
分杭峠 ゼロ磁場の情報サイト
「気」のエネルギーだとかのオカルトじみた解説があるので、ちょっとうさんくさい。
それでも磁気を帯びた地層があり、落ちている石を近づけたりすると方位磁石を狂わせることはあるようだ。
富士の樹海の話と同様、分杭峠の話も都市伝説の類の迷信なのだと思う。


ここまでは前フリで、本題に入る。

千葉県の房総半島付近の外房側で”本当の”地磁気異常があるらしい。
房総半島で方位磁石の南北が逆転する怪奇現象“磁気異常”が多発 – ニュース – ニュース|週プレNEWS

外房の上記記事のあたりの広い範囲で地磁気異常は起きていて、酷い場所(犬吠埼とか)だと南北が反転してしまうほどだとか。

千葉県で地磁気というと養老川の南北反転地層の話が最近ニュースになっているが、そちらは約77万年前の地球全体の地磁気反転の話で、近年の上記の房総半島の地磁気異常とは関係がない。
千葉県の養老渓谷の地球磁場反転地層に行ってみた

自分は退職前はスマートフォンなどに使われる電子コンパス用の磁気センサーに関わる仕事をしていた。
当時、この地磁気異常のニュースを聞いて、実際に測定をするために出張で行きたいと思っていたのだが、結局は出来なかった。

その後、すっかり忘れていたのだが、最近、養老渓谷のblog記事に「千葉 磁場逆転」というキーワードでのアクセスが散見されたので、ふと気になって思い出したのだった。


追記
日本周辺の近海の海域でもそういう場所は多いらしい。
日本周辺海域の地磁気異常分布の特徴




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