電球メーカー細淵電球の手作り電球スクールに参加して電球を作ってみた。
細淵電球は、東京の西日暮里にある電球メーカーで、医療用その他の特殊な電球を主に作っているメーカーだ。
電球の手作りを体験する「手作り電球スクール」というのを実施しているので、申し込んで参加してみた。
青春18切符で、始発で名古屋を出発し、昼過ぎに東京の日暮里駅に到着。
(案内資料には、西日暮里駅からの地図があったのだけど、日暮里駅からの方が近そうだったので)
北改札口から東口に出る。日暮里駅東口を出ると西日暮里だ。
まっすぐ行くと、常磐線の三河島踏切に出るので、向こう側に渡る。(高架なのに踏切?)
(常磐線の三河島駅まで乗車した方が近かったようだ。)
線路沿いに三河島駅方面に向かって歩いて、1つめの角を左に曲がる。
普通の事務所ビルに見える。工場は別にあるのかと思ったら、ここが工場なのだそうだ。
14時ごろ開始。
今回、参加者は小学生くらいの子供3人(+保護者)と大人5人だった。
最初は電球の話。
電球の原理の話、エジソンの伝記の紙芝居、この会社で作った電球の話など。小学生の社会見学みたいな感じで和やかに進む。
電球の話は、配布された資料は小学生には難しいので省略。一瞬で終了。
エジソンの紙芝居は、失敗してもあきらめないのが大事という話。
当時世界初のカラー胃カメラ用電球。
国立科学博物館の重要科学技術史資料にも登録されたのだそうだ。
大人の科学マガジンのプラネタリウムに使った点光源の豆電球。
フィラメントが独特だ。
真っ直ぐな光を作るための電球。
例えば、のこぎりで板をカットするためのガイドに使うとか。今ならレーザ光を使うところが多いだろう。
写真がうまく撮れてなかったが、その小型版の眼科用の電球というのがある。
国内シェアほぼ100パーセントなのだそうだ。
眼科の診察を受けたとき、眼科医が目に光を当てて眼球の様子を観察するというのがあったのだが、あれは縦方向に真っ直ぐな光を当てて眼球の歪みなどをみているのだそうだ。
何度も診察を受けていたけど、そういう光が当たっているというのは知らなかった。
15時から電球作り。
エジソン電球をそのまま作るという内容だ。
まず、ステムという土台部分にフィラメントを接着する。フィラメントは、竹ではなく綿から作られたものを使う。
ステムを接着剤の入った乳鉢に突っ込んで掬うようにして端子に接着剤をつける。接着剤は、炭素の粉とニカワを練ったもので出来ている。
フィラメントの端を団子状になった接着剤に刺すようにつけて、接着剤が固まるまで待つ。
待っている間は工場見学。(後述)
次は、電球の外側のガラス球をステムに取り付ける工程を行う。
作業台が回転するような機構のついた加熱装置を使う。
加熱用のバーナーの熱源は都市ガスを使っているそうだ。
ステムにガラス球を被せる。ガラス球は、フラスコのように入口が開いている。
電球とステムを載せた台が、ろくろのように回転し、フラスコの首の部分がバーナーであぶられて加熱される。
加熱でガラスが柔らかくなると縮んで口が閉じてくるので、ステムの外側とくっつく。
ここで、余分な部分をピンセットでつまんで下に引っ張って、余分な部分を除去する。
くっついた端面の部分を少しあぶってしっかりとくっつける。
(手袋をして集中して作業していたので、写真が撮れていない)
実際にコツが必要な部分は先生がやってしまって、参加者が作業するのは、ステムを台にセットするのとガラス球を被せるのと、余分な部分を除去するのにピンセットで引っ張るだけだった。
他にも似たような機械がいくつかおいてある。1つの機械で全種類の電球が作れるわけではないということらしい。
次は、電球内部を真空にして封止(ふうじ)する工程だ。
この工程も専用の機械を使う。
ステムの下部のガラス管からガラス球内部の空気をポンプで吸い出して、真空にする。
真空になったかどうかは、下についている放電管(?)の光を見て判断するそうだ。
次に、内部のわずかな水分も追い出すため、ヒーターで加熱する。
装置の上からヒーターを降ろしてヒーターの枠を電球に被せる。
最後の工程は、E26口金の接着と端子の半田付けだ。
緑色の接着剤を口金の内側に塗り、電球を接着する。端子用の電線を口金の穴に通すのは先生がやってしまうので、あまり作業することがない。
半田付けは、慣れているので問題無く完了。半田ごてが固定されていて電球側を動かして作業するので、少し戸惑うかもしれない。
点灯テストをして終了。
無事、電球作りを体験することができた。
あと、工場見学をした。
眼科用電球作りの見学。
歪みの無いガラス球を作るのが非常に難しい職人芸なのだそうだ。
真空管とか自作してみたいと思った。