投げるカメラガジェットで放物線の頂点で撮影する方法は、どうやっているのだろうか?
投げるカメラPanonoというのがある。
20万円の精密機械をぶん投げろ!超絶360度カメラ「Panono」レビュー
上に投げると、放物線の頂点に来た時に360度の全天周パノラマ撮影をしてくれるカメラだ。
放物線の頂点で撮影する方法について疑問に思った。
このカメラには加速度センサーを内蔵しているという。
では、加速度センサーで計測すれば可能だろうか?
昔は、物体を投げたとき放物線の頂点で加速度がゼロになるのではないかと誤解していた。
実際には、投げる動作の最後に手から離れた瞬間に加速度はほぼゼロになる。
ただし、重力加速度の分は加速度センサーの計測値に加わる。
さらに厳密には、投げた物体が回転してしまうので、加速度センサーが完全に回転の中心にないかぎりは遠心力という見かけの力に相当する加速度成分がセンサーに加わる。
そして、これらの加速度センサーの測定値は放物線の途中で大きな変化をすることがない。そのため、センサーの測定値から放物線の頂点に来た瞬間を捉えるのは無理だということになる。
それならば、上記のPanonoなどのカメラはどうやって放物線の頂点で撮影をしているのだろうか?
自分の推測だが、物体を上方向に投げるときの初速を推定して、そこから放物線の頂点に達する時間をタイマーで計測して撮影しているのだと思う。
では、物体を投げる初速はどのように推定しているのだろうか?
これについては、やはり加速度センサーで物体が静止状態から投げるモーションで加速される間ずっと加速度の計測値を積分して、初速を計算しているのだと思う。
問題となる点がいくつかある。
・物体を投げるのに生じる加速度は結構大きいので、加速度センサーの測定できる最大のGが大きいセンサーが必要になる。
・積分して速度を求めようとすると、センサーの測定の時間感覚が短くないと行けないので高速な応答をするセンサーが必要になる。測定精度も必要だ。
・物体を投げる際に回転の動作があると計算が困難になる。回転について計測するジャイロセンサーも必要になるのだと思う。
Panonoみたいなカメラの場合、投げたカメラが回転していると撮影がうまくいかない。
そのため、投げるときにカメラが回転しないように直線的は投げ上げ動作をすることになる。
そのような限定された条件ならば、放物線の頂点での撮影は可能かもしれない。
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追記
あるいは、投げた直後からキャッチするまで、ずっと撮影をし続けて、その中間の時点の撮影データを採用するという方式もある。