タバコの受動喫煙対策で煙の検出用センサーをマイコン基板に繋ぐ電子工作をしてみた。
どういうセンサーを使えばよいのか、最初は分からなかったので漠然と空気の汚れを検出するセンサーのモジュール基板を探していくつか購入した。
まず購入したのが、「サインスマート TGS2600 ガスセンサー モジュール 空気の汚れ検知」というモジュールだ。
使われているセンサーはフィガロ技研というメーカーのTGS2600という型番のものだ。
→ TGS2600 【空気の汚れ検知用ガスセンサ】
このセンサーの検知対象は、空気の汚れ(水素、アルコールなど)。
タバコ、調理臭に高感度という特徴がある。
試してみたのだが、階下から建物の構造を通り抜けて侵入するタバコの有害なガスにはあまり反応しないみたいだった。
(追記 – TGS2602という品番のセンサーがあり、タバコの有害な煙を検出するにはそちらのほうが向いているのかもしれない。)
他の空気の汚れセンサーとして、次の2つのセンサーモジュールをさらに買って試してみた。
1つはMQ-135というセンサーが載ったモジュールだ。
Amazonの商品説明には、「モジュールアプリケーション:家庭では、環境に有害なガス検出装置、アンモニア、芳香族化合物、硫黄、ベンゼン蒸気に適した、喫煙および他ガスの有害ガス検知」と書いてあった。
しかし、試してみた結果、MQ-135も階下から建物の構造を通り抜けて侵入するタバコの有害なガスにはあまり反応しないみたいだった。むしろCO2(二酸化炭素)とかに反応しているのではないかと思ったが、CO2について検証したわけではないのでよくわからない。
MQ-135以外にもMQ-XXという品番のセンサーがいろいろと売っている。他にタバコ検出に適したMQセンサーがあるのかもしれない。(硫化水素センサーMQ-136とか有機蒸気用のMQ138を試してみたいのだが、ちょっと値段が高い。)
あと1つはMP503というセンサーが載ったモジュールだ。
Crowtailという所が作った基板を購入した。(Seeedから出ているAir Quality sensorも同じ品物っぽい?)
→ Crowtail- Air Quality Sensor – Elecrow
センサーとしてはWinsen MP503というものだ。
ここのメーカーのセンサーもMPxxxという品番で製品がいろいろとある。(MPxxxでない型番のものもある)
このセンサー(MP503)を試してみた結果、階下から建物の構造を通り抜けて侵入するタバコの有害なガスには反応して計測値が上昇するということが分かった。
このセンサーについて、説明書/データシートを探すのにちょっと苦労したが、見つけることができた。
→ MP503 Air-Quality Gas Sensor–Winsen
検知対象は、Alcohol, Smoke, iso butane, methanalとなっている。
methanal(メタナール)というのは、ホルムアルデヒドHCHOの別名だ。
これらのセンサーモジュールは5Vの電圧で動作し、アナログ電圧で出力が出てくる。
Arduinoとかのマイコン基板に繋いで計測をするのにちょうどよい。
Arduinoの基板の上側にユニバーサール基板を取り付けて、そこに取り付けコネクタを付けたものを作った。
Arduino用のソフトは簡単で、次のように書いた。
void setup() { Serial.begin(9600); } void loop() { int sensorValue; sensorValue = analogRead(A0); Serial.print("sensor = "); Serial.println(sensorValue); delay(10); }
これを、Windows PCとシリアル通信で接続し、記録(ログ)を取った。
どのセンサーにも共通なのだが、最初にヒーターが温まるのにかなり時間がかかる。
あと、初回に新品のセンサーを使う場合、24時間くらい通電しっぱなしにしてエージング(?)をする必要がある。
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ホルムアルデヒド(HCHO)ではなく、総揮発性有機化合物(TVOC)を測定したほうがもっと感度よく測定できそうなので、TVOCセンサーも検討している。
センサー製品としては、BME680とかCCS811とかSGP30というセンサーがTVOCを測定するのに使えるらしい。
とりあえずBME680を購入したのだが、センサー制御がI2Cバスでコマンドを送って測定する方式なのでちょっと使うのが難しいのでまだ動かせていない。
これらについては動かしてみてから別途blogエントリを分けて、そちらに書こうと思う。
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あと、PM2.5用のセンサーというのも買ったのだが、階下から建物の構造を通り抜けて侵入するタバコの有害なガスには反応しないというのが、携帯式PM2.5センサーを使って既に分かっているので、出番はなさそうだ。
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つづく