前回の続き。
小型アルコールランプに燃料アルコールの代わりに他の燃料を入れて燃焼させて試してみる。
灯油を試してみた。明るいのだけど煙というか煤が出る。匂いも臭い。
灯油は燃料用の油としてはコストが安いので、うまく活用したいのだが、煤が出るというのと匂いがきついというのが難点だ。燃やす前の油の状態でかなり匂いがきついので、家の中で灯油の取り扱いをすると匂うし、手とかに付着するとかなり洗わないと匂いが取れないので困る。むろんアウトドアでも後者は困る。
ちなみに灯油には、白灯油(1号灯油)と茶灯油(2号灯油)という分類のものある。
→ 灯油 – Wikipedia
普通に灯油として売っているのは白灯油で、精製度が高く、不純物(硫黄成分など)が少ない灯油だ。これでも匂いや煤が少ない燃料だと言われている(?)。
茶灯油は精製度が低い油で、石油発動機(石油エンジン?)の燃料として昔は売られていたが、今では売っていない。
灯油に近い性質の燃料で、軽油という油がある。ディーゼルエンジンに使われる。ディーゼルエンジンのトラックに単価が安い灯油を給油するという不法行為(脱税)があるらしい。
また、英語でケロシンと呼ばれる燃料もほぼ灯油と一緒のものらしい。厳密にはケロシンは白灯油ほど精製度が高くないっぽい。
中国語だと灯油のことは煤油と書く。
灯油の用途は、昔はランプなどの灯火に使われていたのだが、今ではもうほとんどランプに使われていないので、「灯油」という呼び名がピンとこない。(広義に灯火用に使う燃料のことを灯油<ともしびあぶら>とも言う)
むしろ、灯油は家庭では主に石油ストーブや石油ファンヒーターの燃料として利用されている。ストーブ油と改名してもいいのでは無いだろうか。
石油ストーブや石油ファンヒーターは、「石油」というのが呼び名についているのだが、灯油以外の石油燃料を燃焼させようとすると故障してしまう灯油専用の製品が多いので注意が必要だ。
石油ストーブや石油ファンヒーターは優秀で、灯油を完全燃焼させるように調整されており、ちゃんと完全燃焼させれば灯油の匂いや煤(煙)は出ない。反面、デリケートで灯油が1年くらいで劣化してしまったものを燃焼させようとすると故障してしまったりする。(灯油が劣化しやすいとも言える。)
一時期、昭和シェルという会社がエコ灯油という名前で、匂いがほとんどしない石油ファンヒーター用燃料を売っていた。
→ 昭和シェル、臭いの少ない石油ファンヒーター専用灯油 – 家電 Watch
その後ヒートクリーンという名前に改名して売っていたのだが、値段が普通の灯油の何倍というレベルで高いので結局はあまり売れず普及しなくて販売停止で廃番になってしまった。
自分も一度試しに買ったことがある。確かに匂いが少なかったのだが、石油ファンヒーターを消すときにちょっと刺激臭のする匂いがしたような記憶がある。使っていてちょっと頭が痛くなったというのも記憶にある。たしかそれで結局普通の灯油に戻したのだった。
エコ灯油は、手に入らないけど、もし手に入ったとしてもランプに使うのは無理そうだ。