タバコの受動喫煙の被害について損害賠償請求の訴訟を起こしたくて参考書を読んだ、という話の続き。
訴訟は本人で出来る。という本を読んだ。
Amazonで検索すると同じタイトルの本の版が新しくなったものが沢山見つかる。
自分は中古のだいぶ古い版のものを買ってしまったようだ。
この本は訴訟(民事訴訟)の方法について非常に詳しく載っている。
損害賠償の民事訴訟に限らず、民事訴訟全般の一般的なやり方の説明だ。
本の内容としては、
・訴訟の手続き(訴訟に勝つまでの手続き)
・訴訟以外の手続き
・強制執行の手続き
に分かれていて、訴訟の手続きについて多くのページが割かれている。
訴訟手続きは、
・1章 訴えるときの心構え
・2章 訴訟の実際の手続き
・3章 いろいろな場合の訴訟の仕方
と3つの章で説明されている。
この部分を読んだメモを書く。
1章の訴えるときの心構えのメモ。
訴訟のバランスシート
・訴訟費用と手間が掛かるので割に合わない訴訟を起こすのは無駄
・逆に高額な訴訟は素人が弁護士なしでやるのは無謀
訴訟の基本原理
・正義が勝つとは限らない、訴訟は技術である。(きちんとしたやり方でやらないと勝てない)
・訴えなければ裁判なし、訴えて請求をした内容を裁判所が受け身で判断する。
・主張したことだけ取り上げて貰える、請求が発生した原因を主張することで訴訟が進められる。
(請求というのは「何を – 金額として」をというのを挙げることで、主張というのは「なぜ – どういう根拠で」というのを挙げること)
・主張は裁判所での原告と被告との弁論にて裁判が進められる。原告が主張し、被告が抗弁(主張)する。
・主張には主張責任が伴い、その主張が正しいかどうかということを主張する側が証拠などで証明しなくてはならない。
・原告の主張を被告が認めない否認の場合、証拠で証明しなくてはならないのだが、証拠が不十分な場合、主張が認められなくて不利になる。
損害賠償請求の訴訟の場合には、
・何を請求するか=損害額
・何を主張するか=損害の原因が相手(被告)の不法行為にあるということ
・証拠=不法行為の証拠
となるのだと思う。これを裁判所で弁論して主張することになる。(裁判の前にまずは訴状に書いて訴訟を起こすことになるが)
2章の訴訟の実際の手続きは、訴状の出し方や、裁判が始まってからの具体的な進め方が詳しく説明してある。
箇条書きのメモを書こうと思ったが、書ききれない。
2章の部分は、訴訟についての準備と、訴訟が始まってからの具体的な裁判の手続きとしてどういうことをするのかが説明されていて、とても参考になる。
自分もそうなのだが、普通の人は裁判でどういうことをするのかを知らないからだ。
これを読めば裁判所に行って何をしてよいのか分からなくて困るということはなさそうだ。
3章のいろいろな訴訟の事例は、いくつかの事例が挙げられているが、損害賠償の事例としては交通事故のケースと婚約不履行のケースが載っている。
交通事故の場合の訴訟は自賠法というのがあり、事故の加害者側の過失を被害者側が立証しなくてもよいので、訴えを起こす被害者側が有利である。警察が事故について取り調べて調書を作成するので、この時点で事実関係もおおむね確定している。
自動車保険に入っていれば、訴訟にまで発展せずに解決するケースが多いだろう。
この本には載っていないのだが、どちらに過失があったのかモメた場合に裁判で争うことになる。
信号を無視して車をぶつけたのはどちらなのか、など。
ただ、交通事故のケースは、タバコの受動喫煙症の裁判にはあまり参考にならないようだ。
損害賠償の裁判の訴状の書き方の参考としては直接的な役には立たなかった。
考え方については参考となった。
あらかじめ自分が訴状を書く前にこの本を読んでおけばよかったと、後悔している。