Raspberry Pi用のカメラと、その他のマイコン用のカメラとの互換性はあるのだろうか?というのがちょっと気になった。
最近、Raspberry Pi用のカメラを買って取り付けたり、その他にもいくつかマイコンボード用にカメラを取り付けたりしている。
・Raspberry Pi 2/Pi 3と液晶モニターとカメラを一体型なケースに強引に組み立ててみた
・Raspberry Pi Zero Wを純正ケースに入れてカメラを取り付けてみた
・ルネサスのARMマイコンボード「GR-LYCHEE」を使ってみる – その2 Webカメラ化
・ESP32-CAMというカメラ付きESP32マイコンモジュールを手に入れた
・ESP32-CAMというカメラ付きESP32マイコンモジュールで、カメラで撮影した画像をSDカードに保存してみた
・Maix Bitを手に入れたので、動かしてみた
どれもカメラとマイコンボードとの接続にフレキケーブルを使っている。
互換性とかあるのだろうか?というのが気になったので、調べてみた。
カメラはOmni Vision(オムニビジョン)というメーカーのOVシリーズのものが使われている。OVxxxxというような型番だ。OV2640などがある。
カメラのモジュールから直接フレキケーブルが生えているタイプのモジュールと、一旦フレキコネクタを介してフレキケーブルを接続するタイプのモジュールがある。
どちらにしても、フレキケーブルを使ってカメラをマイコンボードに接続するようになっている。
そして、どうやらRaspberry Pi用のカメラ(OV5647等)だけフレキケーブルの仕様が異なっていて、ケーブルの極数が少ない。そのかわりピッチが少し広いフレキケーブルが使われている。おそらく小型化よりも取り回しをしたときに破損しにくいように比較的に丈夫だからという理由だと思う。カメラ側の基板にもフレキ用コネクタがあるのも、うっかりとカメラを引っ張って強い力が掛かったときに抜けるようにというのを狙っているのではないかと思う。
Raspberry Pi Zeroのカメラは、Raspberry Piのカメラを繋ぐのだけどRaspberry Pi用よりもピッチが狭いフレキケーブルコネクタになっている。なので、カメラ側とRaspberry Pi Zero側とで形状が違う変換用の特殊なフレキケーブルを用いて接続するようになっている。破損しにくさみたいなのはあまり考えていないようで、純正ケースに内蔵して使うという使い方が推奨のようだ。
Raspberry Pi以外のマイコンボードのカメラは、0.5mmピッチの24極のフレキケーブルとフレキケーブルコネクタで接続するようになっている。
この24ピンのコネクタは、MIPI CSI-2という規格になっている。
MIPIというのは携帯電話の標準規格の1つらしい。
この規格のカメラのモジュールであれば、相互に互換性があるので取り替えたりしても良いようだ。
OV2640/OV7725/OV7740/OV5640のモジュールは取り換えができそうだ。
ただし、対応している解像度とか撮影速度とかの性能については新しいOVxxxxの方が高いので、古いOVxxxxに取り替えてもソフト的には前と同じようには使えない。
ESP32-CAMとか、TTGO T-cameraとか、MaixBitとか、GR-LYCHEEのカメラはこの仕様なので、カメラのモジュールは交換しても動かせそうな気がする。
Raspberry Piに24ピンのMIPI CSI-2のカメラを繋ぐための変換用のフレキケーブルとか、逆にRaspberry Pi用カメラを他のマイコンボードに繋ぐための変換用のフレキケーブルとかが欲しい。
と思ったのだが、残念ながらRaspberry Piは信号線の方式とか仕様がMIPI CSI-2とは全く異なるので互換性が無い。
なので、ピンの位置の変換だけでは流用して使うことができないということだ。
あと、携帯電話やスマートフォンやタブレット機を分解して取りだしたカメラのモジュールは、OVxxxxが使われている場合でもフレキケーブルの形状とかがそれぞれの機種ごとに特殊な形状になっていて、千差万別で、交換とか他への流用ができない。
結論としては、Raspberry Piシリーズだけは互換性が無いので流用はできないということだ。