0.96インチTFT液晶(160×80,ST7735,SPI)を手に入れて、M5StickCの液晶の修理を試してみた

0.96インチTFT液晶(160×80,ST7735,SPI)を手に入れて、M5StickCの液晶の修理を試してみた。

先日、M5StickCの液晶を破損させてしまった。修理で半田付けで液晶パネル部品を交換するため、同じ液晶パネル部品をAliexpressで見つけて購入した。

修理のため、M5StickCを分解する。

フレキ部分の形状が少し違うようなのだが、これは取り付け作業をしやすくするために横の出っ張り部分の片方をカットしてあるためらしい。

半田ごてで接合部分を加熱して、故障した液晶パネルを取り外した。

新しい液晶パネルを取り付けたのだが、点灯しない。バックライトも付かない。

半田付け作業ミスをしたのだろうかと自分を疑ってしまうが、ひょっとすると最初から液晶パネルが不良品だったという可能性も考えられる。


同じ液晶パネルを使った液晶モジュール基板を手に入れたので、これを使ってテストしてみることにした。
(フレキ部分の端子のピッチが0.7mmなのだけど、普通に売っている0.7mmピッチから2.54mmピッチへの変換基板が無いので、液晶パネルの付きの基板を手に入れる必要があった。)

液晶モジュール基板から液晶パネルのフレキ部分の半田付け箇所を半田ごてで加熱して取り外した。液晶パネル自体はまだ基板に貼りついたままだ。

M5StickCに取り付けて動作しなかったAliexpressで購入した液晶パネルをまた取り外して、こちらの液晶モジュール基板に半田付けで取り付けてみた。

しかし、やはり表示されない。
Aliexpressから送られてきた品物が最初から不良品だったという可能性が高いと思う。
半田付けをしないと確認できないのだが、それで動かない場合に不良品だったというクレームを付けるのは難しそうだ。

液晶モジュール基板から液晶パネルを取り外した。この液晶パネルは動作確認済みのものなので、M5StickCの修理に使えるはずだ。

M5StickCに半田付けで取り付けた。

通電してテストしてみたが、無事に表示された。

前に書き込んであったソフトの表示がされているのだが、黒い背景に白く文字が表示されるというソフトだったはずだ。HATを取り付けていないので、2行だけ表示されている。
肉眼ではちゃんと文字が2行表示されているのが見えるのだが、スマホで写真を撮るとうまく写らない。

とりあえずケースを組み立てた。

あと、写真ではうまく写っていないのだが、一番上の1ライン目にランダムっぽい描画ゴミが表示されている。

液晶ドライバのコマンドが違う液晶パネルを動かした時のような挙動だ。

M5StickCの液晶については、ここがすごく参考になる。
M5StickCの画面制御ST7735のソース解析 – Lang-ship

M5StickCの公式のライブラリのグラフィック処理部分のソースコードによると、ST7735Sの「GREENTAB」の描画処理をしているらしい。
内容としてはAdafruitのST77xx用ライブラリとほぼ一緒のようだ。

GREENTABというのは、液晶パネルの出荷時に保護用に貼ってある透明の保護シートの端っこに貼ってあるタブ(剥がすときに掴むための出っ張り部分)の色が緑色の品物ということらしい。

交換に使った液晶パネルも「緑色タブ」の品物だ。

交換前と”同じ”液晶パネルを使ったはずなのに、なぜか正しく表示されないという謎に遭遇してしまった。

ひょっとすると、タブの色というのは当てにならないのかもしれない(?)

ちなみに、ILI9341ドライバみたいにSPIの双方向の通信をしている液晶パネルだと液晶パネルのリビジョン番号とかを調べることができるのだが、ST77xxの場合にはマイコンから液晶パネルへの一方向の通信しかできないのでリビジョンを調べて処理を分岐させるようなことが不可能だ。

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